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FM浦和 森谷明仙 こころの日めくり

 

書へのオマージュ 森谷明仙ひとりごと
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            2026年7月1日 書の風景 こころの風景(36)

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           どれだけ、この墨と筆に助けられてきたことだろう。

           生活の糧を得るために、30才を迎えた時
           背水の陣の思いで書道専門学校の門を叩いた。
           子連れの新入生は私だけだった。

           その時から、想像も付かないほどの
           厳しい書道生活が始まった。

           あの日から45年も過ぎてしまった。
           けれど不思議に一度も書くことが嫌だとか
           やめようとか思ったことはなかった。
           辛い時も喜びの時も書と共にあって
           筆の運びと一緒に芽生えていく
           「自己解放」は安心で願いで
           それは心の中の荒れを耕し整え
           半紙の上にも私の身体の中にも
           新しい種を撒き続けてくれた。

           半紙の上に現れる一本の線や形は
           自身そのものだと気がついてから
           より愛おしく筆をとるようになった。

           半紙の上で墨精は懸命に応援歌を歌ってくれるから
           苦しい時も笑顔の時もぐるぐるまわりながら
           筆をとってこれたのだ。

           そこには出会ってきた先輩や仲間や隣人たちの
           心に沁み込むような支えや応援が詰まっている。
           そしてその原点には、
           平和への決意と、幸いへの願いがあった。

           だから今なお、書も人生も人もいとおしいのだ。

           ふと、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の中に出てくる
           「桔梗色の空」というフレーズが浮かんで目を閉じた。

           誰もが、愛して、愛されて
           歩み続けられる世の中であってほしいと。

           それだけを願って、今日も筆をとる。
                               森谷 明仙
                                「SAITAMAねっとわーく」
                                 2026年7月1日号より


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