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2025年9月15日 「ふるさと大岡 書道ライブ」での ごあいさつ みなさん、こんにちは。 今日は、この様な機会を頂きまして、ありがとうございます。 旧姓は、柴田、上中山で生まれ育ちました。 高校卒業後、都会に出て、大岡はふるさとになりました。 今は、子どもの頃から親しんできた「書道」の仕事をしています。 教室もしていますが、個展や展覧会で見て頂いています。 そこで何度も声をかけられました。 「自然が あなたを作ってきたんだね。 自然の中で 学んできたんだね」 「ここに書かれている『書』も、『ことば』も、 『空』も『緑の原』も、都会の色ではないですね。」 はじめはビックリしました。 でも、気がつけば、大岡の自然や生活、営みは、 私にとっては 何者にもかえがたい先生でした。 幼かった頃からの大岡でのくらしが、 これまでの人生を作ってきてくれたのだと、 ずーっと思ってきました。 きょうは、そのふるさととの、お話をさせて頂きたいと思います。 書道人生45年になりました。 長い道のりは、平坦な道ばかりではありませんでした。 その度に、「お種池」の清らかな水を思い、 「聖の峰」を思い、「アルプス」を思い、 4キロも歩いて通った「中学校」を思い、 「みんなの顔」を思い、 70数年をかけ抜けてきた感じです。 人生を支えつづけてくれた、くれている 脈々と受け継がれている大岡の地の 自然や文化、そして支えてきて下さった皆さんに どれだけ「ありがとう」を言っても、伝えきれない気がします。 大岡の地こそが、今の、私の、原点で、 これまでの人生を作ってきてくれたと思っています。 個展を前にして、作品が仕上がらなくて、 思わず、電車に飛び乗って、大岡の山々や風に会いにきたことも 度々のことでした。 草むらに寝そべって、土の暖かさを感じて、風に吹かれて、 まわりの皆さんの、やさしい笑顔にふれて、 そんな風にして書いて、表して、走ってきました。 この地に生まれ、育ったことが、長い年月の、生きる糧となって、 70数年ものあいだ、思いつづけてきたことを、お伝えしたいです。 不思議です。 小学生だった頃のことです。 アルプスを見て、聖山を見上げて 30年後、50年後、私はこの景色を どこで、どんな気持ちで見ているのだろうか。 またここに立っているのだろうかと、思った事でした。 山と山の間に囲まれて、 遠くを見上げている自分の姿が、今も、 まるで、きのうのことのように、 きれいな映像で思い出されるのです。 「書」を続けて、書き続けて 「美しい書」を書くことから、「表現としての書」を書くことに、 夢中になり出したのは、40歳を過ぎた頃からのことでした。 幾度、あきらめかけたか、わかりません。 どうしとても、形ばかりとらわれてしまって、 イメージする、線にも形にもなってくれないのです。 色をつけてみれば、お絵書きになってしまうし、 書きあかったものを見れば、カッカリするばかりでした。 でも、書き続けて、むき合い続けているうちに、 一本の線にも、音があることに気がつきました。 一本の線が、うめいたり、泣いたり、声を出して笑ったり、 楽しく話したり、唄ったり、します。 私が笑えば、線も笑います。 「書くことば」は大事ですが、もっと大事なのは、 今、自分が、何をどう考え、どう伝えたいのか、 どう、みんなと分かちあいたいのか、と、 いうことなのだと思います。 最後に、 作品の中から、ひとつ、紹介させて下さい。 「それぞれのカタチ」という「書」があります。 それぞれ勝手に、という意味ではありません。 それぞれに、個性や考え方があって 生きていく方法も それぞれでいいんでいすものね。 「それぞれのカタチ」がいいんです。 「それぞれのカタチ」だからいいんです。 それぞれの思いや気持ちや行動を、認めあいたいです、よね。 その先には、きっと、新しい階段とひかりが待っていると 今も、信じています。 きょう、これから皆さんが書かれるもの とても、楽しみです。 どうぞ、自由に話し合って、自由に表現して下さい。 皆さんが、一番、伝えたいこと、 一番、つよく思うこと、 楽しく書いてみて下さい。 心の中で、モヤモヤしていることも、 遠慮せずに書いてみて下さい。 墨と筆が、紙に伝えてくれます。 書きあがった皆さんの、書や絵は、 自分から自分へのプレゼントです。 さあ、始めてみましょうか。 森谷 明仙 |
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