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FM浦和 森谷明仙 こころの日めくり

 

書へのオマージュ 森谷明仙ひとりごと
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           2025年1月15日
            2022年10月号から「SAITAMAねっとわーく」に掲載された
             「書の風景 こころの風景」を順番にお届けしています。

            書の風景 こころの風景(13) 「人間讃歌」

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            音楽との即興ライブを始めた頃
            会場いっぱいに鳴り響く
            六弦ベースの張り裂さけるような
            音に突き動かされて
            思わず、「人間 過去 未来 わたし」と
            畳一帖ほどの大きさに書いていた。
            「わたしが わたしを 必要としている」と
            続けて書いて、それはそのときの私の叫びだった。 
            数えたらもう15年以上も前のことだ。
            今も大事な一枚になっているが
            あの日からそのことばと一緒に歩き続けて
            今、筆をとれば「人間」のあとには「讃歌」と
            続けて書きたい自分がいる。

            嬉しいことも楽しいこともたくさんあったけど
            その何倍も乗り越えなければならないこともあった。

            母になった時も
            夫が定年を迎えた時も
            私が病に伏した時も
            「書」と一緒にひとすじの道を歩いてきた。

            半紙の上に現われる「墨精」にどれ程
            生きる道を指し示してもらってきたことだろう。
            気が付けば、それはそのまま自分への讃歌でもあった。

            歳を重ねれば重ねる程に壁は高くなって
            よくもこんなにと思う程だけど
            今も「認め合い」の中で
            「ありよう」を探して信じて墨をする。

            さあ、一緒に唄いましょうか 
            高らかに
            あしたへの讃歌を
            人間の讃歌を
                           森谷 明仙
                            「SAITAMAねっとわーく」
                               2023年10月号より


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