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FM浦和 森谷明仙 こころの日めくり

 

書へのオマージュ 森谷明仙ひとりごと
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            2024年12月1日 書の風景 こころの風景(26)

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            何かが違う 何かが足りない
            その答えがほしくて 書き続けてしまう。
            もう限界と筆を置くのだが時間をおいて眺めてみれば
            やっぱりなにかが違うとまた筆をとる。
            ひと回りもふた回りもして
            最初のころのものを手にとれば
            グルグル回ってスタートに戻ったのかとガッカリもする。
            でもこの山積みの墨跡の中には
            精一杯の迷いとか気づきとかが詰まっている。
            とても納得には辿りつけないけれど
            それが自身の過程なのだろう。

            もう30年も前になるが 個展会場で
            「あなたは、自己肯定論者だね」と声をかけられた。
            その頃はまだ「自己肯定」などということばに馴染みもなく
            一瞬ほめられたのか 批判されたのか 戸惑ったけれど
            後になって嬉しい応援歌だったのだと
            振り返えったことだった。

            生活の中でのあれこれ 生きるカタチのあれこれが
            一つの書の中に凝縮されていけたらいいと思う。

            そんな風に思いながら
            書き続けてきた何十年もの道のりが詰まった書だもの
            その経過をも愛しく思ってしまう。
                                森谷 明仙
                                  (「SAITAMAねっとわーく」
                                      2024年12月号より)


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