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2024年9月1日 2022年10月号から「SAITAMAねっとわーく」に掲載された 「書の風景 こころの風景」を順番にお届けしています。 書の風景 こころの風景(8) 「それぞれのカタチ」 2023年5月号より 見えそうで見えない。ありそうではかない。 それは一体どんなカタチで、どこにあるのだろうか。 心の奥に棲んでいるのだろうか。 心の奥でちゃんと生まれ、育っているのだろうか。 それはいつか、ことばになってカタチになって 現れてくれるのだろうか。 40代の半ばのこと そのまま「カタチのないものもとめて」と書いた。 その時から30年近くも経って 気がつけば「それぞれのカタチ」と書いていた。 乗り越えたいと思っていた時だった。 あの時と同じように、思案の時だったが 半紙の上に現れた筆の跡は 言葉も、線質も、まるで違っていた。 「自由でいいよ、そのままでいいよ」と。 これが30年前の答えだったのか。 半紙の上の「自分」を手のひらでさすった。 これ以上でもない、これ以下でもない 今の「ありよう」が半紙の上にあった。 今までの道のりがモノクロだったり カラーになったりして流れていく。 一粒の種は30年もかかって、一つの作品になった。 若い人も、年を重ねた人たちも 「これがいい」といって下さることが嬉しい。 誰もがそれぞれのカタチで考え、悩み、求めて 幸いを探して生きている。 夢の中で「999(スリーナイン)」に乗ってみましょうか。 森谷 明仙 (「SAITAMAねっとわーく」2023年5月号より) |
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