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FM浦和 森谷明仙 こころの日めくり

 

書へのオマージュ 森谷明仙ひとりごと
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          2024年7月15日
            2022年10月号から「SAITAMAねっとわーく」に掲載された
            「書の風景 こころの風景」を順にお届けしています。

          書の風景 こころの風景(6)「さくら」 2023年3月号より

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            桜によせて

            真っ赤な桜の蕾は、日に日に膨らんで
            青く高い空を覆っていく。
            力強くて、瑞々しくて、生きる力を放って
            咲いていく桜、咲く桜
            それはそのまま限りなくやさしいメッセージだ。

            ことしも東日本大震災の日が巡ってくる。
            震災直後の桜舞う日、ふるさと信州の
            小諸のミュージシャンを中心に
            「想いを伝えたい」と
            気持ちをひとつにする人たちが集まった。
            以来、毎年小諸駅前の広場に
            手づくりの舞台が作られ
            「この想いを届けたい さくらさくライブ」として
            パフォーマーたちは一日中、歌い奏で
            震災・災害復興支援を訴えてきた。
            私はオープニングで、地元の音楽家とコラボして
            舞台に設置された約10メートルのパネルに
            大筆で即興で書き込んでいく。
            被災地の皆さんと少しでも共にありたいと
            筆を走らせてきた。
            コロナ禍で、2年間中止になったが昨年再開。
            今年は11回目を迎える。
            気持ちを引きしめて、精一杯、筆をとりたいと思う。

            わが家で、30年間、共にしてきたしだれ桜の太い幹に
            数年前から桜の子どもたちが生まれ
            可憐な花びらをつけている。「ひこばえ」だ。
            新しい命が生まれ育っている。
            太い根元の「ひこばえ」は数年後には
            青年の樹になっていくだろう。
            それはきっと新しきのはじまりの時と信じたい。
                        森谷 明仙
                        (「SAITAMAねっとわーく」2023年3月号より)


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