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2024年5月15日 2022年10月号から「SAITAMAねっとわーく」に掲載された 「書の風景 こころの風景」を順にお届けしています。 書の風景 こころの風景(4)「五線譜の上に」 2023年1月号 個展会場にやさしいメロディーが流れはじめた。 書と音楽とのコラボレーションのはじまり。 書も曲も即興でのパフォーマンスで仕上げていく。 15分程前に音楽家のオギタカ氏と 「五線譜の上に音譜(符)がひらり」と 入りのことばだけ決めて お互いのイメージだけを確認しあった。 すぐに本番。 語りかけるように 包み込んでいくように 会場にピアノの音色がしみ込んでいく。 私はうながされるように筆をとり まっ白な和紙の上をすべっていく。 筆は、高く青い空を舞い 緑深い森を走り、 野に咲く花たちと戯れる。 静けさとやさしさの中で 急に身体がほてってきた。 一瞬、ことばが消えてしまったかと ドキッとしたが 筆は勝手に動き続けて、気が付けば 「新しき血潮あり ああ この想いよ 無限に」と 書いていた。 筆がはじけた、こころがはじけたと 思った瞬間には、もう書き終わっていた。 音楽と書と観て下さる皆さんとが トライアングルのように響きあい それぞれの「新しき」が生まれ 届けあっていくことができたら それは何よりも嬉しい。 森谷 明仙 (「SAITAMAねっとわーく」2023年1月号より) |
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