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FM浦和 森谷明仙 こころの日めくり

 

書へのオマージュ 森谷明仙ひとりごと
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            2024年2月1日 書の風景 こころの風景(17)「瞳」

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                「道ひらき 道あるく
                 道がなかったらつくればいい」
               そんな風に書いていた頃もあったけど
               なかなかどうして
               年を重ねるごとに
               歩き続ける道も険しくなるし
               目の前の壁も高くなる。
               嬉しいこともほっとすることも
               たくさんあるけれど
               予想もしなかったことが突然起きて
               潰れそうになることだってある。
               そんな時は深呼吸して
               わたしはわたしを見る。
               そうして精一杯の気合いを入れて筆をとる。
               紙も筆もすごく正直だから
               半紙の上には
               その時の心模様や体調が
               そのまま現れる。
               答えがほしくて書きつづければ
               「試されているとき 学びのときだよ」
               半紙が囁いた。

               そうだね。
               心の奥の芯の部分がとけだして
               坂の上の景色も見えてくる。
               筆はいつの時も半紙の上で
               道すじをつくり照らしてくれる。

               鏡のなかの瞳が柔らかくなっていた。
                           森谷 明仙
                           (SAITAMAねっとわーく 2024年2月号より)

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